奈良県五條市での瓦屋根修理調査

奈良県五條市での瓦屋根修理調査

奈良県五條市にて瓦屋根の修理調査をさせて頂きました。ご信頼を賜りまして誠にありがとうございました。

ご訪問の際に一番目につきました光景は銅製樋の歪みでございました。

少し目の錯覚を起こしてしまいまして屋根垂木が折れているような勘違いをしてしまいましたが横から回り込んで確認いたしますと..

ご覧の様に垂木は折れておりません。施主様ご報告通りに鬼瓦の落下に伴いまして軒樋が押し下げられたと考えるのが自然であります。ですのでこちらの箇所の軒樋の修理とここから真逆の軒樋の修理が必要でございます。

続きましてこちらの屋根の瓦は瓦の裏側に爪がありませんので比較的ズレ易くなっております。ですので全体を押し上げて元にもどしつつ、軒先瓦の固定と強化を図る工事が有用だと判断させて頂きました。

現在一ケ所だけ雨漏りを起こしている個所は隅棟と降り棟瓦の取り合いにありますトンネルの詰まり及び、防水の欠損が原因と考えられますのでこちらの処置もお勧めさせて頂きます。大屋根は入母屋ですから合計4か所ございます。

続きましてこちらの立地で一番影響を与えていると考えられる雪害による瓦ズレを雨漏りとして捉えないで修理する方向でご提案させて頂きます。雪の凍結によって瓦がずらされる場合がありまして今回はその痕跡の方が明らかに多いからでございます。

離れの水切り熨斗瓦の崩壊は壁の水も吹き降りの際に合算されますから顕著に現れます。こちらは漆喰仕上ではなく板金の水切り仕上の方がより強固になり耐久力が跳ね上がります。

雪害によりますところの雪の塊の落下割れでしょうか。このような箇所が倉屋根にございましたのでご報告させてください。

本体の倉屋根。(こちらは本葺きといいます)丸い瓦が所どころズレていますのでこちらの調整も必要かと思われます。

広範囲の修理項目となりますがこちらの屋根(蔵ではなく母屋の方)はおそらく30年~40年前に一度葺き替えされている事(竹野地ではなくバラ板に変わっていることから)また1998年の奈良県を襲った台風によって雨染みは出来ていますが現在は止まっている個所が多くあることが特徴となっております。こちらに順じましてお見積りさせて頂く形となります。

この度は私共に調査ご依頼を頂きまして誠にありがとうございました!