S型瓦軒先からの雨漏り原因

こちらの記事ではS型瓦軒先からの雨漏り原因をご説明させて頂こうと思います。

S型のSとはスパニッシュの略でして遠くヨーロッパ、スペインで汎用性高く用いられている瓦型ということでの呼称で御座います。下記写真の様な形をしております。

スパニッシュ瓦

こちらの型にはご覧頂いていますように屋根の先には『垂れ(たれ)』といいます雨をL字に切る付随物が少ししかありません。(写真では殆ど無い様に見えますが少しはあります)

一方、下の写真の様な日本瓦の軒先瓦には垂れが付いております。

日本瓦軒先の垂れ

両者を見比べてみますと垂れが付いている日本瓦の方が垂れの付いていないスパニッシュ型の瓦より流れてくる雨がすぐ下の壁に当たり難くなっている構造となっております。

とくに強風の時にその違いがはっきりと分かれます。ただ当たり難いということですが全く当たらないという事ではなくて両者とも強防風時と強風立地の地域では完璧ではありません。

こちらの写真がすぐ下の壁の写真です。軒先の瓦の下壁の部分を木製なら『広小舞』それ以外なら『鼻隠し』と呼びます。

こちらの写真の様に樋金具の膨張や鼻隠しのモルタルの亀裂、または瓦と鼻隠しの間の隙間にも強暴風の時に雨が当たりますので雨水の侵入を許してしまう事がございます。

※亀裂や隙間の在る箇所を青線で記してみました。※

このように普段は雨樋で隠れていますので亀裂や雨水の侵入を知らず知らずの内に許してしまっているケースもありますが、この部位からお部屋の中に直接雨が漏れるケースが『落ち屋根』のような複雑形状でない限りありませんから発見出来ない場合や発見が遅れる場合も

こちらは雨漏りすれば発見出来る落ち屋根の形状

ですのでスパニッシュ瓦の直下、樋に隠れている所は雨があたり易く場合によりますと雨漏りしている場合があるという事を心がけて修理改善に向かうとよいかもしれません。

この度は御信頼を頂きまして誠にありがとうございました!