ケラバ板金垂れ不足からの雨漏り

ケラバ板金垂れ不足からの雨漏り

こちらの記事は板金屋根の垂れ不足からの雨漏りの現象をご説明させて頂こうと思います。よろしくお願い致します!(大阪府の現場にて撮影させて頂きました!)※垂れとは写真の黒い部分の長さの事でございます。写真では5.5cmを示しています。

ケラバ板金垂れ不足からの雨漏り(現場・大阪府)
ケラバ板金垂れ不足からの雨漏り(現場・大阪府)

写真の黒い箇所がケラバ板金の垂れという箇所で御座います。こちらのケラバ板金の垂れ(長さ)が不足している事によって雨漏りするケースが御座います。

↑の写真の雨漏りの場合は施工の順番としまして既存のケラバ板金を施設した後に窯業系のサイディング(壁材)を施工する工程を取っていたと思います。その際にサイディングの裁断が少し甘く、(ケラバ板金の中迄入り切れていませんでした。)風圧を伴う巻き込みの雨に対処出来なかった事例となります。

ケラバ板金垂れ不足からの雨漏り(現場・大阪府)
ケラバ板金垂れ不足からの雨漏り(現場・大阪府)

こちらの写真も同様にモルタル壁面に対して鋼板(笠木)の垂れが少し足らず垂れとモルタルの間から雨水が侵入しておりました。

ケラバ板金垂れ不足からの雨漏り(現場・大阪府)
ケラバ板金垂れ不足からの雨漏り(現場・大阪府)

こちらは落ち棟(高さの違う屋根と屋根の事)の取り合い部。既製品の唐草ではスレート一枚分どうしても浮いてしまいますのでその分ケラバ板金の垂れが不足してしまいます。

不足した垂れの下端の雨水が今度はコンパネ野地板に干渉し、毛細管現象により野地板を腐食しながら雨水を部屋内部に引き込んでおります。この様な場合は本来二次防水の役目を担うはずの(防水紙)ルーフィングがかえって雨水を引き込む手助けをしている場合もございます。

ケラバ板金垂れ不足からの雨漏り(現場・大阪府)
ケラバ板金垂れ不足からの雨漏り(現場・大阪府)

こちらは最初から板金による垂れがないケラバでしたので雨水は容易に引き込まれてしまいますね。

垂れ不足は、高低差、当たる風圧の量を吟味してその長さを修理経験則で割り出して行かないと負けてしまう場合もございます。あまりに垂れが長いと今度は風圧で捲られてしまう危険性もありますので、適正寸借、適正緊結を熟慮する必要性が御座います。

ありがとうございました!

ケラバ板金の出面は押さえた方が良いかもしれません

ケラバ箇所に関わる雨漏りでもう一つ追記させて頂こうと思います。

こちらは屋根の構造用合板によるケラバ板金と破風板の距離が離れ過ぎていますので青線で示しております破風板と屋根構造用合板から、ケラバの板金の垂れが短く働きませんので雨水が侵入してしまうケースがございます。

侵入した雨水はお部屋の外部を通り壁面の緊結を弱めてから、こんどは壁面から雨漏りに十分な水量をお部屋内部に誘因する事になっておりました。