谷樋部・漆喰塗り過ぎによる雨漏り(現場・大阪府・奈良県)

屋根工房きのした親方に使わせて頂いております

昔から近畿地方で鎮座し続ける谷漆喰の塗り過ぎからの雨漏り修理の考察記事となります。(現場写真は大阪府と奈良県となります)宜しくお願い致します!

大阪府の谷漆喰塗り過ぎ雨漏り
大阪府の谷漆喰塗り過ぎ雨漏り

屋根の谷部分とは金属材で出来ていましてその種類は亜鉛メッキ鋼板(トタン)や銅板、谷コイル、ステンレスなどが御座います。偶に谷自体が瓦の時も御座いますが二次防水はきちんと施されております。

写真に見えます三角の形の谷瓦とは(切って調性する事が前提)となりますので小さな瓦も混在致します。小さな瓦を安定させる為に土を置き化粧として漆喰を塗っている屋根が殆どですがこの最後の漆喰の出面(デズラ)が雨を呼び込んでしまう事が多々御座います。

基本的に切った谷の瓦には垂れが無く水を切る機能が低いので屋根の勾配にも左右されますが瓦の裏側にも必ず雨が廻ります。屋根勾配が適合3寸ぎりぎりで尚且つ流れ行きが長い場合が最も危険で水下はもとより水上も雨に廻られる危険性がございます。その様な特徴がございますので谷漆喰を多く塗りますと雨漏りや凍ての危険性が上がってしまいます。(出面を最低限守り雀口代わりの漆喰でしたら問題御座いません。)

奈良県の谷漆喰塗り過ぎ雨漏り
奈良県の谷漆喰塗り過ぎ雨漏り

雨に廻られて剥離した漆喰はやがて樋に溜まり谷廻りの雨漏りだけでは無く入り隅の樋からオーバーフローして下屋根まで雨漏りするケースも御座います。(強烈な余剰水量が発生し直に下屋根に当たり下屋根の排水許容量を超えてしまうからであります。)

奈良県の谷樋交換工事
奈良県の谷樋交換工事

こちらの写真は谷の漆喰が一切無い谷樋の施工写真となります。出来るだけ谷の漆喰は塗らない方が屋根の為には良いと考え置いてくださいませ。

屋根工房きのした親方に使わせて頂いております

こちらは平板型の修理自体が年数が経過していない事や絶対数が多くありませんから珍しいケースでしたので谷からオーバーフローを引き起こしていた雨漏りを動画にさせていただきました。

ありがとうございました!