凍て瓦進行による雨漏り

こちらの記事は瓦の欠損、凍て割れ(冷害)が進行した場合の雨漏りについての記事となります。

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こちらの写真は家屋の日照時間の差異で生まれた凍て割れ。(日が余り当たらず水分の乾燥が遅れる場所)山間部の寒冷地や屋根北面がよくやられます。

2012.1.31奈良県の凍て割れ瓦

こちらは瓦裏面の凍て割れ。こちらも方位に左右されますが、釉薬瓦の場合は裏面まで釉薬を塗布していませんので素焼きの部分が残っています。素焼きの部分の頁岩は水の浸透率が高く冬場の瓦裏面に付着する結露や埃の堆積が理由の雨水の停滞などが瓦内部にまで染みて行き、冬場の水分の凝固に伴いまして徐々に瓦自体を痛めて参ります。

注:(現在の淡路釉薬瓦は燻瓦に使う土を使い、尚且つ表層にはシリコンを混入しておりますので凍てに強くなっております。)

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こちらの写真は凍てが進行し、割れた瓦が毛細管現象で雨水を呼び込んでおりました。

瓦の等級やメーカーにより損傷度合は変わって参りますが、前述のとおり屋根全面の凍てが進行しているケースは殆ど有りませんので葺き替えか?修理か?の判断はよくよく吟味する必要が御座います。

また、漆喰の塗り過ぎや全面シリコンコーキング等屋根の乾燥時間を著しく損なうメンテナンスにも注意が必要で御座います。

こちらの燻瓦の凍て割れは2016.11.6京都府宇治市にて診断撮影させて頂きました。屋根全面ではなく凍てた瓦は総数で役3枚です。この数枚だけは生成時に(不純物)が混じった可能性がありますがメンテナンスは一番簡単な部類となります。

凍て瓦による雨漏り

こちらの燻瓦も山間渓谷部北面の凍て瓦による雨漏りの写真です。2016.10.2に撮影させて頂きました。

何れに致しましても屋根全面が凍て信仰によって雨漏りするケースはありませんんので、部分葺き替え等で間に合う事もありますので、今の状況を把握されてからの工事をお勧め致しております。😊