観測史上初の雨が残した爪跡

台風18号の通過と共に鬼怒川の河川氾濫の様子をニュースで見ておりました。
早く平安な暮らしを取り戻せます様にと・・心が硬直しております。

広範囲に全壊した家屋は新築を余儀なくされると思われます。

河川の決壊・氾濫を今後防げると仮定した場合
観測史上初の雨と風が再度襲って来た場合に

新築時にはどの様な屋根にすれば良いのか?
雨漏り修理屋からの視点で考察を述べさせて頂きますと

①屋根勾配は4~5寸取る
今までの雨漏り修理の御依頼の中で
勾配が取れている屋根の平部からの雨漏りのケースが殆ど無いからです。
理由は水量の総重量が風圧を凌ぎ排水出来る重力を得ているから。
谷鋼板や樋の欠損が起因するケースは御座います。

加えて
②水返しの施設している屋根材を選ぶ
相手は観測史上初、出来れば返しは5分以上欲しい所。
防風が関与してきますと、必ず屋根上では水流が堰き止められ
一時的にではありますが内部に雨水が浸入し続けるからで御座います。
これを屋根材内部で返してしまわないと雨漏り致します。
利き足を長く取ってこれに対応する工法も御座います。

③軒唐草は垂れの付いている建材を選ぶ
軒下からの雨の噴き上がりで唐草上の防水紙に雨を関与させない為
広小舞・鼻隠しは濡れてしまいますが、それ以上の浸水は防げます。

④防水紙
上記3点を守る事で壁面から屋根等の余剰水流が派生しない部位。
または埃堆積量の多い密集地域以外
防水紙に雨が干渉する事はありません。
防水紙の無い築100年超の雨漏りしていない家屋は沢山御座います。

⑤窯業系サイディング等目地処理が必要な壁
開口部直上に目地を施設しない。
目地切れによる浸水量を減らす為

後は、実際の施工時に鉄釘を使わないとか
取り合い仕舞い考察とか
極々基本的な事項を守る事でしょうか。

30年経過した辺りで全くメンテナンス費用が変わって来ます。
以上の考察は全て裏付けが取れておりますので御参考までに。