11月23日皆様がこれだけ知っていたら先ず失敗しない雨漏り修理についての記事を現場の職人が綴っております。(⊹^◡^)ノ  

瓦は、何故ずれ(ズレ)るのか?

2011-11-23

御閲覧感謝致します。タイトル通りの考察記事です。
昔の土葺き工法の瓦が何故ずれるのか?
使用する土の性質・粘土の多さや藁の混入具合により多少の時間軸の差は御座いますが一様に言えます事は、冬場発生致します内部結露による土と瓦の剥離が主で御座います。(
また、瓦の裏側の爪の有無、爪が付いていても葺き土に絡んでいるかどうか?葺き土を野地に止どめている、土止め桟木のピッチ(幅)や高さ(嵩)も重要であります。)

瓦の裏側に付着致します内部結露の水分が瓦と土との密着を年数に応じて低下させて行きます。
お住まいの地域によって誤差は御座いますが、およそ15年から20年の間にこの内部結露による土と瓦の剥離が完成致します。

またこの剥離は、土と瓦のみならず野路板上のルーフィングと土との剥離も意味致します。
また、葺き土があまりに少なければ結露や塩風害に負け続け土そのものの横広がりによります分解で不陸・野路板含め屋根が凸凹する現象に繋がってまいります。
次にこの剥離が進行致しました場合、瓦の重量はその流れの長さ。簡単に言いますと縦の瓦がどれだけの枚数葺かれているのか。また急勾配の屋根、ここでは5寸勾配以上の屋根瓦の重量は下記写真の様に左上から右下に総重量が一気にのしかかります。

瓦に重量の掛かる方向

屋根勾配が緩くなりますと例え瓦と土が剥離していましてもその影響は軽微で御座います。
また軒鼻が化粧仕上げなのか?モルタル仕上げなのか?によっても全く違います。ポイントは雀口の強度と密着で御座います。
モルタル仕上げの方がズレにはより屈強であります。(雀口モルタルが竣工から剥離していない場合)

次に下がり出した瓦の総重量を支えるのは、瓦の右端の大袖瓦と一番先端の丸っこい飾りのつきました万十軒先瓦で御座います。この両者の瓦の施工が、屋根勾配を配慮しながらも甘い施工となりますと天災を待たずして、ただの軽微な振動やたまにやって来る台風による風の吹きあがりにて瓦ずれが徐々に引き起こされてしまいます。

昔の土葺き工法の標準的な施工では18ないし20番の銅線一本釣りにての施工が殆どですので銅線の金属疲労と熱膨張による伸びが発生し大袖瓦の振れまた屋根瓦全体がずれていくので御座います。

また軒鼻瓦を支えます構造材木(銅線を通している構造材木)五分角、竹桟、胴縁によっても強度の差は発生致します。

土葺きの屋根の欠点(主に重さ)に注視しがちの屋根業界では御座いますが土葺き屋根には特筆すべき良い点も御座います。夏場の猛暑の折、熱を小屋裏に伝えにくくする断熱性、野地板を痛めにくくする通気性また、冬場の内部結露を半分葺き土で吸収し剥離を生み出してでも、瓦裏面からの凍て・凍みを生み出さない瓦自身を守る、耐久性、埃堆積による毛細管雨漏りもこの葺き土にて抑止するなどの役割を担っているので御座います。

上記の考察を踏まえて瓦屋根の雨漏りなど長きに渡り適正診断をさせて頂いております。

地瓦のズレ
2016.2.3軒樋破損に端を発した瓦ズレ

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