2016年08月26日

屋根漆喰工事の修理・補修、塗りすぎ警報・注意報

屋根漆喰工事を御依頼する際の注意事項の記事となります。私は仕事上、近畿圏を走り回って観てきましたが、大阪が一番屋根漆喰工事の施工不良が多いので是非この記事を屋根漆喰工事を施工する際の参考にお役立て下さい。

 

まずはじめに、屋根の漆喰の塗りすぎは何故多く絶えないのでしょうか?
その原因の一つとして、屋根漆喰が屋根の上で果たしている役割を理解していない方が非常に多いという事と理解していたとしても、ただ見た目だけの改善なら仕上げ易く工期の短縮を図る事が出来るからです。

 

棟の熨斗瓦垂れ付近まで、漆喰をたっぷり塗りますと塗りこぼしが殆ど出ないために、適正漆喰工事の2倍以上のスピードで仕上がります。
正規の調整を施しながら、屋根漆喰工事を施工致しますと非常に手間がかかり、塗りこぼしていないかその都度熨斗瓦の裏側を覗きこまないといけません。

 

塗りすぎました漆喰はこちらの写真

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大気中や雨中に混じる埃の付着や苔・黒カビで覆われた三日月の部分、これを面土漆喰と言いまして、瓦屋根はこの部位を漆喰や面戸瓦などで仕上げて行きます。

汚れている面土漆喰の部分は雨を綺麗に捌けず、継続的に水分が廻っている証拠で御座います。

実際の施工手順は?

先ずは、この出過ぎた漆喰の撤去と一番この工事で大切な漆喰を撤去した後棟の土を削る作業が必要不可欠です。

古い漆喰を撤去してもそのまま何の調整もせずまた同じように塗りますと、また同じ箇所、特に熨斗垂れからや台熨斗合端口から水が廻り切っている部位の改善は見込めません。

たまに、施主様は沢山塗っていた方が、強いと勘違いされている方がおられますが、屋根は先ず水や埃との干渉を出来るだけ切る事が大切ですので、むやみやたらに塗り込んだ漆喰は、改善どころか改悪になってしまう場合が御座います。

この様に漆喰だけでなく棟土も削って参ります。

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では何故この作業が必要なのか御説明致します。

munemenndodesuこの様な日本瓦の棟は熨斗瓦と言われる長方形の瓦を何段かに積み上げて作られています。

ですので一段目熨斗瓦の継ぎ目が、雨の落ちる実際の箇所で、その上に積まれた熨斗瓦より絶対に中に塗っていなければ著しく瓦自体や棟の寿命を損傷してしまいます。

この調整を私は勝手に熨斗瓦一段目チリ奥調整と呼んでいますが、これを厳守しませんと、1段目の熨斗瓦の水の落口の直下に漆喰を塗られていましたら必ず水が廻りまして下記の様な弊害が発生致します。

①雨漏りの原因

②凍み割れの原因

凍て割れ瓦・凍み割れ瓦の考察記事はこちらから閲覧頂けます

③屋根構造材腐食

④鬼銅線劣化促進

⑤棟熨斗瓦の蛇行水平化(耐震性劣化)

⑥埃・虫・苔・草の付着繁殖など列挙いたしますと6つの弊害が発生致します。

また上記写真の赤線部、水の落口にシリコンを塗りましても、熨斗瓦の勾配(角度)によって、水量はちがいますが青線部分のちょうど裏側に雨水が走り、やはり漆喰の塗りすぎは上記の弊害を招きます。

それだけ棟瓦の漆喰は繊細かつ慎重に施工しませんと、台土を削って掃除して何も塗らない屋根の方がよっぽど高寿命を維持できます。
調整をシッカリ施し塗った漆喰は例え、鏝後だらけの漆喰でも綺麗に仕上げた出過ぎた漆喰より屋根の為には良いという事です。

塗りすぎた漆喰のせいで凍て割れ・凍み割れてしまった瓦はこちら

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この部位からまだ雨漏りはしていませんでしたが、地域性・日照時間の差異で出来た凍て割れではなく、漆喰の塗りすぎで出来てしまった凍て割れです。漆喰の塗りすぎによって最後まで瓦の寿命をまっとう出来なかった写真です。

常に棟近辺が水分を含んだ状態ですのでこうなりますと余計な修理費用が必要な人災で御座います。

 

下の写真は適正屋根漆喰工事と不適正屋根漆喰工事の事例写真と動画です。

適正・不適正屋根漆喰工事

 

 

さらに詳しく御知りになりたい方はこちらからも御覧頂けます。
屋根漆喰工事で雨漏りは直りますか?

 

御宅様の棟漆喰はちゃんと塗られているでしょうか?

棟の一次メンテナンスは非常に重要です。言わば瓦屋根の命と言っても過言ではありません。
値段だけで決めるのではなく棟漆喰の塗り替えは、最低限上記の知識と技術を持った実際に現場に従事する職人さんに施工してもらってください。

下記は非常に沢山の御相談を頂く診断ケースです。

無考察漆喰工事をされる→棟から雨漏りする→葺き替えを勧められる→良く解らないけど葺き替える→?? 

こうならない様に、ご注意下さいね。