屋根の摩擦係数と全面換気の効能、増改築後の壁面雨漏り

屋根の摩擦係数と全面換気の効能、増改築後の壁面雨漏り

はじめに

今回の記事では①屋根の摩擦係数と②全面換気の効能と③増改築後の壁面雨漏りの考察を書かせて頂こうと思います。よろしくお願い居達します。

ワイヤー線によってズレた瓦屋根
ワイヤー線によってズレた瓦屋根

本日日曜日は雨漏りの調査にお伺いさせて頂いておりました。経過年数は45年の塩焼き瓦屋根の雨漏り調査で御座います。雨漏りしている原因は太陽光温水器のワイヤー施設に端を発した瓦ズレが原因であります。ワイヤー線が瓦を動かしてしまうケースが結構な頻度で発生致します。

雨漏りによって流されました葺き土
雨漏りによって流されました葺き土
摩擦係数が低い屋根材のメリット

瓦ズレと雨漏りによりまして瓦屋根内部の葺き土が一部流されておりますが注視すべきは他箇所含めまして瓦の重なり部分に殆ど埃堆積が見られないことでありました。この要因として考えられる事は塩焼き瓦の摩擦係数が低い事と高台に位置していますので常に風を多く浴びる事が出来た事と3寸5分勾配という屋根勾配を得れていた事が良い結果を生み出せた結果ではないかと考えられます。

こちらの塩焼きの瓦は先代も何度か滑った程に売り出し当初は銀黒釉薬と匹敵するほど雨も体も良く滑りました。ですのでこの立地環境では、埃も堆積する事が難しい非常に良い建材という事実が裏付けされたこととなります。※現在の釉薬瓦もシリコンを含有しておりまして非常に摩擦係数は低いので良く雨と埃をはじきます。※

全面換気屋根のメリット

また、トントン(杉で出来たルーフィング)による全面換気にて凍てが無い事も塩焼き瓦をここまで高耐久に導く事ができました要因の一つで御座いますね。この後に建築ブームになりトントン屋さんは姿を消しましてビニトンやハイトンにルーフィングは移行していきます。充分な費用対効果を出した結果から学び次に繋げて行く事が安心であり保障であると私は考えております。

増改築後の壁面の雨漏りにつきまして
増改築後の壁面の雨漏りにつきまして
増改築後の壁面雨漏りを考えるメリット

こちらの増改築後の取り合いの不備なども垂れ無駄折りの内側を雨が走っておりますので軒天直下際の垂れに鋏を入れて防錆処理を施しますと、この様な貰い錆びは出すことは過去の結果から学んでいる次第で御座います。※貰い錆びの部分は壁・屋根共軒天に守られて雨が当たる箇所ではありません。※ですので、この箇所は壁を砕いて防水紙からやり直し等は、必要ありません。鋏を入れ切断いたしますと直ります。

3年経過していました雨漏り応急処置工事
3年経過していました雨漏り応急処置工事

余談・・。

過去といいますと本日お伺いした3年程前の私の応急処置も健在でした。こちらは3年後に御依頼を頂いた形にはなりましたが、御検討しておられる間に構造材木に負担を与えなかった事は私共の大きな自信につながりました。両者共、2013.9.16の台風に打ち勝てたのです。

ありがとうございました!!!