2017年02月09日

馬の言う事

馬の言う事

主よ、
どうか共にこの戦地に来た馬のいう事を聞き届けて下さい。
あなたの兜は痛み
帯は緩み
胸当ては今にも崩れそう
言葉の剣も折れ、もう何も刺し貫けないでしょう。
あなたが、行けと言えば行きましたし
止れといえば、そのように
曲がれと申されれば曲がり、意のままに仕えて参りました。
今もなお、累々と重なり続ける同胞の屍の上で
私の脚は、小枝の様に痩せ細り
私の肌は乾いた地面の様に、割れています。
どうしてもと願い聞いて頂きたい事は
私は郷里に戻り
私の子らには、ここに来てはいけないと伝えたいのです。
勝利
利に勝ったからといって
私どもに一体何が残ったのですか
幻でしょうか。闇でしょうか。
私は郷里に戻り、私達の子らには、ここに来てはいけないと
主よ、あなたと共に伝えたいのです。