2016年11月17日

肉眼で確認出来ないピンフォールの正体

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こちらの写真は鬼瓦を緊結する銅線の腐食の写真です。

鬼瓦の滑落を招く銅線の腐食は主に棟木に打ち込む方の5寸鉄釘と銅との電蝕で引きおこるケースが殆どですが、まれに鬼瓦方向の銅線の腐食も垣間見ます。(体感では100件に2~3件位の頻度)

この現象はどこの屋根瓦にも発生している訳ではありませんので、あくまで仮説の域を脱しませんが、

恐らくは鬼瓦廻りに巻いた漆喰の水溶液、アルカリ性の強い石灰の水溶液が吊り線の腐食を進行させていたと考えられます。

アルカリ性の強い水溶液が上手く吊り線に関与した場合のみ腐食の進行が見られますから、これから外れた水流の場合は腐食が起こらないと仮定できます。

 

ここから派生する考察は、銅谷の肉眼では確認出来ないピンフォールの発生にも繋げる事が出来ます。

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写真の様に明らかに目視確認出来る摩耗穴と目視出来ないピンフォールが銅谷の場合混在しております。

写真は谷漆喰を塗っており、目視出来ないピンフォールで雨漏りしている銅谷は谷漆喰のアルカリ性水溶液による腐食が関与していると思われます。

こちらは構造上ピンフォールが出来ても雨水が関与しなければ直接的な雨漏りは引きおこりませんが、雨水が関与した場合は見える穴だけ塞いでも雨漏りは改善に至らない過去の前例も御座います。

これが、目視確認出来ない銅谷のピンフォールの正体である可能性が高い。

 

結果として、考えられる施工上の留意点は

①谷に石灰は置かない

②鬼首防水はシールが必須

上記は屋根漆喰工事のみのメンテナンスを施す場合。

 

棟の積み直しや谷の交換時には現在アルカリ性の南蛮漆喰を使用致しますので、銅板や銅線を使用しない。

以上の事が考えられます。