2014年05月30日

棟のコーキングがダメな理由(シリコン・瓦屋根コーキング)

本日は、棟のコーキング(シリコン止め、パテ処理)等が何故雨漏り完治に至らぬのか?何故ダメなのか書いて見ようかと思います。
現在進行形で、この工事を勧められている御施主さんは必読であります。

少々解り難いお話しですがご容赦下さいませ。

先ずは、写真を御覧下さい。

CA3I0954

こちらの隅棟に塗られているコーキングですが、合端口と言います熨斗瓦と熨斗瓦の継ぎ目にシリコンを塗布しております。
趣旨としましては、棟内部に干渉してくる水を切りたいという考えからこの工事に踏み切った物と思われます。

ですが、日本瓦の構造上合端口に雨水が干渉するように出来ています。棟内部にも水が干渉するように出来ています。
何故そういう構造なのかご説明いたしますと、一度この合端口で水流を切る事と、一枚位飛来物によって欠損を起こしてもその機能を持続するために熨斗瓦を積んでいるという事です。肝心なのは、この一度水流を切るという事。

これはなんの為かと申しますと、その下の面土や漆喰に強風時に直接雨を出来るだけ干渉させない為で御座います。
写真の様にコーキングによってどの部位も雨を一度も切れない状態にされますと、もろに台熨斗の勾配にも左右され家屋の立地高低にも左右されますが、面土に吹きあたる水量・水流共増し加わり、施工前よりも増して台熨斗の垂れからの雨の裏走りが発生しやすくなります。

コロニアルの隅棟の杉貫きが横走りに弱く止水処理していないと棟包みの水流をもろにくらってしまう事と同じで御座います。(尺330で地葺きのリブで水流を一応押し殺す立平は、偶然そうなったかもしれませんがコロニアルより優秀であります。)
風圧による棟内部の雨水の干渉は、全面のコーキングにより緩和されるかもしれませんが、もとよりそれが原因でない場合は雨漏りは直りませんし風向きによれば悪化する要素を含んでおります。

これらを熟知考察し、尚且つ棟全面コーキングその後、台土面土を削り取り、例え水量・流共上がっても雨漏りしない施工をしうる施工店は存在するのか?

はっきり申し上げまして

存在しません。

理由は簡単。(そんな事するより棟の積み直しの方が費用対効果が高く水落としの調整も出来ると屋根屋さんは知っているからです。)

 

ですから、その工事は後にどの様な水流を生み出して、どの様な弊害が生まれて来るか?ちゃんと考えている施工業者を選びましょう。
そのお手伝いは私が幾らでも尽力させていただきます。

施主様の屋根は屋根業者の屋根ではありませんし、
尊敬した親からの贈り物。心血を注ぐ子供や孫に継いでもらいたい屋根のはずですから。

それと、こんなコーキング工事しているから葺き替えしかございません。にも充分御留意下さいませ。(一概には言えませんが、日本瓦の修理が出来ない店かもしれません。)
合端口を避けて、僅かなシリコン塗布位では雨漏りの原因にはなりません。

御一読頂きましてありがとう御座いました。