2011年07月04日

寄棟雨漏り・修理、補修など

タイトル通り寄棟雨漏りを考察してみます。

私が子供のころの職人さんは、電動工具のサンダーや押し切りを使わず全てハンマーで瓦を調整していました。

1日平均40坪葺けて1人前と親方から認められる時代でしたので、ハンマーで追い当てを作るほうが圧倒的に早かったからです。(私も昼休みにトラックに積んだ古瓦でよく練習しました。)

特に孫受けの仕事など昼に2日雨が降れば、職人さんに払う手間で即赤字となる限られた予算での施工を強いられた時代でもありましたのでスピード重視の施工となります。

極限までスピードを求められた施工によって生まれた追い当ての甘さや、陸棟と隅棟の取り合い部。漆喰収めや小さな追い当ての暴れをシリコンではなく葺き土と棟台土で固定などなど

十分な予算を組んで貰って施工出来る時以外はほとんどの屋根屋さんがこの工法で施工していました。

30年後この施工方法は当然欠点も浮き彫りにされます。先ず一番最初に雨漏りを引き起こす漆喰頼りの東鬼取り合い部の箇所

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この部位を修理にきた業者さんは当然棟全部の漆喰塗りなおしを提案、

必要があろうが無かろうがです。

なお既存の古漆喰を撤去せずに漆喰の重ね塗りそれによって生まれる熨斗瓦一段目接合部の排水を余裕で飛び出す、ただ白いだけの棟メンドは棟の構造上確実に棟土に雨が廻り出します。

この時点では外部雨漏りですので施主様は気付けません。

 

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棟土が常に濡れ、施工後3~10年で葺き土で抑えていた追い当てが悲鳴をあげだします。

ズレ発生と再度の雨漏り、この場合陸棟 東部 隅部 と多岐に渡って雨漏りするケースがありますがこの時点で棟積み替えと追い当て調整を提案できる店舗に当たった施主様はラッキーですが構造を知らない業者さんが再度登場してまたしても漆喰塗りなおしなど提案。。

台熨斗面一に漆喰を塗り重ね、更に棟全部をコーキング、更には桟瓦、桟谷まで完全コーキングシリコンならまだしも、水性アクリルシリコンとか塗ってある場合もあってなんちゃって屋根に変貌。

追い当て半端の瓦の調整不足かズレが雨漏りの原因なのに見立てる事及ばず当然雨漏りは止まらず外れを引いた施主様は、もうへとへとで雨漏り専門業者に相談、専門家なら大丈夫だろうと電話

業者さんいわく(もう手遅れです、葺き替えをお勧めします。) :cry:こんな感じでしょうか。

昔の瓦職人の工法による功罪は私も一番解っております。とはいえ生きるためにその道しかなかった。職人の生活を守るために低予算の孫受けに甘んじることを厭えなかった昔の親方衆の悲哀も御理解頂き、日々施工技術の向上に私は励みたい思っております。

ご安心ください最後レベルになった屋根でもほぼ95%葺き替え無いで、雨漏りを止めております残りの5%はどうしようもない屋根も御座います。

葺き替え希望のお客様には意地は通しませんが、説得はさせていただいております 😳

※葺き替えをご提案する5%の方はもはや屋根の建材の痛みが激しくほとんど、再利用ができない場合、屋根の構造と屋根建材の相性がもともと悪すぎる場合などがあります。