‘屋根修理・お役立ち情報’

瓦屋根がズレなければならなかった理由

2016-12-05

瓦屋根がズレなければならなかった理由を歴史的に観て紐解いて行く記事となります。お時間が御座いましたら、是非お付き合い下さい。

 

こちらの瓦屋根の写真は平部の地瓦と言います部位がズレて雨漏りしております。
瓦屋根のズレ

瓦屋根がズレる外的要因

瓦屋根は碁盤の目の様に並んでおりますので、どこか一部が、堆積した雪によるねっぱり、鉄道や高速道路・一般道路が引き起こす振動、また軽度の地震や暴風雨に見舞われた際の僅かなズレが年数を追うごとに蓄積されていきますと、丁度碁盤の目が崩れていくようにズレが進行していく場合が御座います。

建築年数にもよりますが、後付けの鉄道や高速道路・一般道路が引き起こす振動は、竣工当時では意図できない瓦屋根がズレる理由でも御座います。

昔の瓦屋根は、屋根に土を置き並べて行く(これを葺くといいます)工法が主流でありました。土葺き工法と言います。その時代の瓦は焼成段階で出来る捻じれがあり、これを上手く調和させて葺きあげる為、また結露吸収や二次防水の役目として土葺き工法が必要でありました。

1970年前後、私の住む関西の燻瓦や明石市で焼成された瓦の極一部には写真の赤丸の部分に現在では必ず施設してある土に食い込まして屋根瓦のズレを食い止める機能の爪が、何故か?施設してありません。

昔の瓦屋根の裏面

地震大国の日本に於きまして、明治・大正・昭和と一般家屋の屋根にあり、充分な震災歴史を持つ瓦屋根が、土に食い込ます爪、瓦をズレから守る為の爪を何故?近代まであえて作らなかったのでしょうか

明治・大正・昭和と続く土葺き瓦屋根の歴史の意味は・・?

昔の瓦製造業者や職人は一般家屋にも普及しだした明治以降、何も考えていなかった人達だったのでしょうか・・?

いえ、そんな事は絶対ありえません。

その理由の真意は、いくら土葺き瓦屋根が高耐久・高耐候性を有していましても、(充分な予算で作る社寺・仏閣・文化財等を除き)

コンクリートを流用出来ない当時の一般家屋の基礎・耐力壁・小屋組みの耐震技術が瓦屋根の機能に圧倒的に追いついていなかった事が原因で御座います。

その為この時代の火災による延焼はもとより、地震に弱い家屋を守る場合の瓦屋根の役目は、大きな震災時の初動時、縦揺れの場合は束抜け・柱抜けなど小屋組の早期倒壊を防ぐ為には、瓦と土量で織りなす充分な重量が必要であり、

また、横揺れの際には自らを犠牲にして家屋の倒壊を防ぐ為あえて崩れて行かなければならない必要性も同時に有していました。

地震による死者を出さない様に(わざとズレ易くする為)瓦裏面の爪を近代まで施設してこなかった事は、上記の理由によるもので御座います。

※瓦屋根は雨でも風でも火災でも地震でも、常に自らを犠牲にして、屋根の下に住む人々を守ってきました。※

報道では見た事ありませんし、謳われる頻度も殆ど御座いませんが、これが本当の一般家屋を守り続けた土葺き瓦屋根の歴史で御座います。

この様に紡がれて来た瓦屋根の歴史や瓦屋根の機能と工法・人命への配慮を、いとも簡単に落ちる・重いとメディアが毎回報道しております。

非常に残念な思いをする機会が多いのですが、日本建築の歴史には必ずその当時の技巧と考察が存在しておりますので、歴史を点で捉える事をしないで、是非、線で捉えて正しく報道して頂きたいと思います。

歴史にもしはナンセンスですが、

もし、基礎・耐力壁・小屋組の耐震技術がもっと早くに確立されていましたら当時の瓦製造業者や職人は要らぬ忍耐や揶揄を避ける事が出来たと私は思います。

ズレさせない為だけならば、とっくの昔に工法や製法は当時の技術力で充分出来ていたと考えられるからで御座います。

以下は、自論であり、仮定でも御座いません。

少々飛躍した考え方では御座いますが、歴史を振り返りますと、瓦屋根でなければ大火・飛び火による死傷者が圧倒的に増え、地震による初期倒壊の犠牲者も大幅にあがり、この記事を読んで頂いている方も、私もひょっとしたらこの世に存在出来なかった可能性があるかもしれない・・。

 

以上の考察と土葺き瓦屋根の歴史に敬意を払いながら雨漏り修理や屋根修理に日々奮闘させて頂いております。

 

 

 

職人技を動画で見て頂くコーナー。

2016-11-26

職人技を動画で見て頂くコーナーです。
手に技を持つ者の動きなどをお楽しみ頂けましたら幸いです。
(^^)

H25年度前半の雨漏り修理の事例など動画にしてみました。
少し解説なども加えております。
殆どの雨漏りは少し手を加えるだけで直る可能性が高い事をこの動画で確認出来るものと思います。

ご視聴頂きまして、ありがとうございました。

スレート屋根の雨漏り原因ベスト5と修理対策

2016-10-31

スレート屋根の雨漏りの原因と修理対策

スレート屋根の雨漏りでお困りの方へ、
スレート屋根とはセメントを圧縮成型した屋根材で(薄型化粧スレート・厚型化粧スレート)等、住宅・工場の屋根に一般的に広く普及されています。

先ず初めに代表的なスレート屋根を御紹介致します。

代表的なスレート屋根の種類

緩勾配不適合建材と塗装
こちらの屋根はスレート大波と言います。(工場・倉庫等で主に使用されています)


こちらの屋根は薄型化粧スレートと言います。(カラーベスト・コロニアル・パミール等)

モニエル雨漏り
こちらの屋根は厚型化粧スレートと言います。(モニエルセンチュリオン・ホームステッド・セメント瓦等)

スレート屋根の雨漏りの原因ベスト5

次にスレート屋根によく発生する雨漏りの原因についてご説明させて頂きます。

①緩勾配不適合建材使用屋根による雨漏り
②埃堆積による毛細管雨漏り
③塗装による雨漏り
④躯体の損傷による雨漏り
②天窓・トップライトからの雨漏り

以下順を追ってご説明させて頂きます。

①緩勾配不適合建材使用屋根による雨漏り

スレート屋根材の施工に於きまして必ず守らなければならない必須項目が御座います。
スレート屋根材の殆どが水返しという機能がありませんので、必ず適合した屋根勾配の上に施工しなければなりません。

水返しとは?

普段の雨は尚更風圧を伴う雨が屋根材の重ね目に侵入してきた際に下葺き材(ルーフィング)に雨水を干渉させずスレート屋根材そのもので侵入してきた雨を外部に排出する溝や突起の事で、これは葺きあがった屋根表面からは見えません。

スレート大波 2寸5分 以上 必要
厚型スレート・薄型化粧スレート 4寸以上 必要

必要勾配の目安は現場経験から、幾多の雨漏りの事例を垣間見てきた結果の判断となりますが、以上と書きましたのは和歌山県沿岸部や能勢町渓谷部などは大阪平野部とは環境が、全く違いますので以上と書かせて頂いております。

これら水返しの無いスレート屋根の勾配が緩い場合、簡単に雨は内部に侵入し

①雨漏りの原因
②構造材木の腐食
③緊結材・釘の腐食
④躯体裏面に停滞する雨水の蒸発により表層塗膜の早期劣化
⑤頻繁に起こる水分吸収と蒸発による躯体の割れ
⑥水切れが悪い為苔の繁殖が起こる
⑦雨水の停滞時間、乾燥時間が長く本来の軽量屋根のメリットが阻害される

これらの弊害に繋がってしまいますのでスレート屋根材の施工時は屋根勾配に充分な配慮が必要です。
最高級の防水紙や遮熱シートを用いて瑕疵担保責任の10年をクリアすれば良いという問題では御座いません。

緩勾配薄型化粧スレート屋根

現在非常に多くの方がこの緩勾配不適合建材使用屋根のスレート屋根でお困りで、頻繁に御相談を受けさせております。
元々排水能力の低い緩勾配不適合建材使用屋根ですので適合勾配屋根への変更は致し方御座いません。

改善策は適合勾配屋根材への変更

緩勾配にも適合できる屋根材への変更の御提案としまして
当店では日鉄住金製ガルバニウム鋼板(0.35mm)立平葺きへの変更を家屋の形態に合わせて加工し御提案させて頂いております。

各種ガルバニウム立平葺き

当店で過去施工させて頂きました
従来の亜鉛メッキ鋼板(トタン)の耐用年数が塗装を施さない状態で約30~40年
遮熱塗装無し生板ガルバニウム鋼板(亜鉛とアルミの混合メッキ)が20年程問題がでておりません。
(現在のガルバニウム鋼板は遮熱塗装が施されております。)
また、この建材の特徴は1寸勾配の緩勾配からでも実際に対応できる事などからお勧めさせて頂いております。

一坪当りの重量負担は約20㎏、㎡6㎏です。

工法は2通り御座います。
①アスベスト含有スレートを撤去し施工する方法
②旧スレートの上にカバーを掛ける方法

どちらでも対応可能で御座いますが、撤去前提の工法の方が廃棄処分費等、工事費用が掛かります。
御予算や今後建て替えの予定などを加味した上で工法の選択をしてください。

②スレート屋根埃堆積による毛細管雨漏り

次に埃堆積によるスレート屋根の雨漏りに付いてご説明させて頂きます。
こちらも先に御説明させて頂きましたスレート屋根材には水返しが無い事が問題となります。

雨が運んでくる埃が屋根材の重ね目に溜まり続けますと堆積した埃を伝って雨水が逆流して参ります。
これを毛細管雨漏りといい、風の当らない立地や緩勾配屋根になる程躊躇にこの現象が見られます。
また、近隣工場の有無なども埃堆積を促進する要素になる場合も御座います。

スレート屋根毛細管雨漏り

こちらの写真がスレート屋根に発生する毛細管雨漏りです。

埃堆積による毛細管雨漏りが発生した場合の対処方法

モニエル瓦毛細管[1]

厚型化粧スレートの雨漏りに対しては人工的に水返しを施設して部分的に雨漏りを直す事も可能です。

またセメント瓦の様に一度スレート屋根を捲り清掃後葺き直す工事も可能で御座います。

躯体の強度があり水返しの施設が出来る場合は旧建材を使用した再生も可能で御座いますが、
薄型化粧スレート(コロニアル・カラーベスト)等は毛細管雨漏りが派生し出す年代になりますと強度が殆ど残っていない為先のガルバニウム鋼板による変更工事をお勧めさせて頂いております。

適合勾配でしたら立平では無く断熱材入りの横断ルーフも施工可能で御座います。

③スレート屋根塗装による雨漏り

次にスレート屋根へ塗装した場合の雨漏りについてご説明させて頂きます。

スレート屋根のメンテナンス方法として最もポピュラーな工事と言えば屋根塗装工事で御座います。
ですが、先に御説明させて頂きました通りスレート屋根は適合勾配が要となり
また毛細管雨漏りを促進させない意味でも、スレート屋根材の重ね目に充分な配慮が必要であります。
スレート屋根の重ね目に空間をつくる事で毛細管雨漏りを抑止する部材をタスペーサーといいます。

タスペーサー

プライマーを塗布後にこちらのタスペーサーを挿入し、縁を切る事によって毛細管雨漏り発生を抑止できます。

タスペーサーを施工しても雨漏りしてしまう場合も御座います。

こちらの屋根は塗装後に雨漏りし、御連絡頂いたスレート寄棟屋根。
塗装する事により平部の模様凹部が埋まります。新しい塗膜は水の走りも良く普段の雨でも良く切れます。
ですが、横殴りの雨には逆効果となり、隅棟の内部に凹部が塗膜によって埋まってなかった以前の状態より多くの雨水を引きこんでしまった結果、雨漏りしてしまいました。

2011.11.30兵庫県のモニエル瓦[1]

こちらの厚型化粧スレートも塗装後に雨漏りが発生しました。水流が一番多く発生する谷部の劣化塗膜が堰となってしまったからです。

スレート屋根塗装による雨漏り対処方法

基本的にスレート屋根の毛細管雨漏りと対処方法は同じで御座いますが、スレート屋根塗装後の雨漏りは目視確認出来る部位だけでなく屋根全面の雨漏りが発生している場合が御座います。
また、元々発生しているスレート屋根の雨漏りは塗装では直りません。
特に緩勾配のスレート屋根に塗装を施した場合が最も危険ですので、スレート屋根の塗装時には充分注意して行って下さい。

④躯体損傷による雨漏り

次にスレート屋根の躯体損傷による雨漏りの御説明をさせて頂きます。

スレート屋根の破損

こちらのスレート屋根の雨漏りの原因は屋根材の割れによるものです。
飛来物による欠損なのか経年劣化なのかは判別が難しい割れ方です。
直ぐ御直し出来る雨漏りですのでその場にて御対応させて頂きました。

こちらの棟包み板金の浮による雨漏りは風害が予想され、施主様ご自身で保険会社に申請した後の工事となりました。
当店は写真と見積もりをお渡しし、ご自身で申請という簡単な手続きです。

棟包み板金の損傷全てに言える事は、棟下地の貫き材と雨が干渉し過ぎている一点につきます。
また、下地貫き材木に打つ鉄釘も錆び膨張や貫き材の膨張に追随出来なかった結果飛散や落下が目立ちます。

こちらのスレート屋根(ニチハパミール)の欠損は緊結している釘が原型をとどめておらず腐食しており大変危険な状態の雨漏りでした。

躯体損傷による雨漏り対処方法

シリコンを用いてその場で御直し出来る様な躯体の破損などは、問題御座いません。
棟包みの飛散の修理も到って簡単で御座います。
ただ、アスベストを含有しないスレート材や、上記パミールなどの屋根材の場合屋根全面の改修工事が必要な場合も御座います。

天窓・トップライとからの雨漏り

最後にスレート屋根材に付随している天窓トップライトからの雨漏りの御説明をさせて頂きます。

天窓からの雨漏りは下記写真を先ずご覧ください。

スレート屋根天窓雨漏り

緑のラインで囲っています箇所はガラス廻りのパッキンです。
こちらのパッキンの劣化がそのまま雨漏りに繋がります。

青のラインは天窓周りの鋼板のハゼの部分です。
こちらは豪雨時に雨が溜まられますとやはりハゼの内部に雨水が干渉してきます。

赤のラインは無駄折りといいまして屋根内部に雨水が干渉しない様に折り込んでいます。
ただ写真のスレート屋根の場合立ち上げる事が出来ませんので、埃堆積と共に毛細管やオーバーフローしてしまいます。

天窓・トップライとからの雨漏り改善方法

緑のラインは構造を少し変えるか、若しくは再シーリングで直ります。
青のラインも元々シーリングが必要です。
赤のラインは現状を捨て谷とし、上部水切り板金の施設で雨漏りは直ります。

そんなに難しい雨漏りではないのですが、発生頻度は、やや髙めで御座います。

 

以上スレート屋根の雨漏りベスト5と修理対策を御説明させて頂きました。

皆様のメンテナンスの参考に是非お役立て下さい。

雪止め瓦+耐寒緩勾配適合瓦は降雪の堰に勝てるのか?

2016-10-28

屋根工房きのした

 

先日から雨漏り修理工事をさせていただいております現場の写真です。棟の冠瓦下の葺き土も多く、風圧を伴う雨に干渉され続け、風化しております。

この現場は、京都府の北部舞鶴市に近郊している綾部市。
私共の施工エリア外ではありますが、御依頼頂いた次第です。

年間降雪量も大阪とは全く違うこちらの屋根には雪止め瓦が施工されております。雪止め瓦とは、堆積した雪が一度に滑落し人損や物損を未然に防ぐ為に施工する瓦屋根材の名称です。屋根材により様々な形態が御座います。

舞鶴市の最大降雪量は、2012年の87cm
大阪府の最大降雪量は、1907年の18cm
(気象庁のデータをお借りしました。)

実に大阪の4.8倍

屋根に雪が堆積した場合、滑落もそうですが、最も怖い現象と考えられるのが雪解け水の逆流や、雪そのものが堰となって防水紙に雨水が干渉している可能性があるという事。

この一点に注視致します。

早速、二階の雪止め瓦の周りの瓦を捲って調べてみました。
現在の防水紙に比べれば品質は多少下がるアスファルトルーフィングですがタワミや染み後は一切見つけられません。

雪止め瓦

一階の日照時間の短い面も精査致しました。
雪の解ける速度が遅ければ遅いほど、堰や逆流の危険が増すからです。

写真の通りこちらも問題ありません。

結果として
雪止め瓦+耐寒緩勾配適合瓦は降雪の堰に勝てるのか?

勝てます。

こちらの立地(京都府綾部市)では充分機能しております。
理由は、地瓦に充分な水返しが施設してあるからで御座います。
雪解けの雨水も堰となる雨水も施設している水返しで跳ね返し防水紙に干渉されておりません。

※屋根の仕様※

①屋根勾配2.8寸(緩勾配)
②地瓦(耐寒・緩勾配適合ハイシルバー・高浜市野安製瓦)
③経過年数 30年前後

水返しの無い瓦でも、水返しを付ければ雨漏りしない地瓦平部に改変する事はこの結果からでも容易に推し量れますので、施工主様は覚えておいて下さい。

屋根工房きのしたまた、葺き替えや新築をお考えの施工主様はご近所で一番結果を出している屋根材や製造メーカーを選択する様にすれば、大きな失敗を回避する事が出来ると思います。

 

 

 

 

DIYで屋根漆喰工事をする時の注意点

2016-09-30

屋根工房きのしたDIYで屋根漆喰工事をする時の注意点をご説明させて頂こうと思います。先日から屋根漆喰工事をさせて頂いているお施主さんの屋根がちょうど良い構造ですので書かせて頂こうと思いました。

先ずは、谷漆喰。

谷の漆喰が取れてしまって、気になる事もあると思いますがこの箇所は一列一列の瓦屋根の水が集中的に流れてくる所ですので、塗らないで下さい。塗り込んでしまうと谷瓦から雨が廻り込んで、水が抜けなくなり谷鋼板の早期腐食や使用釘(特に亜鉛釘の錆膨張促進)また、瓦自体の凍てによる損傷を招きます。場合によっては野地板や垂木の構造材木が腐食してしまいます。最悪、モルタル軒天の場合は滑落を招き人災にもつながる可能性がありますので、取れかけている谷の漆喰はむしろ全部外しておいて下さい。多少葺き土の浸食を受けますが流れ行き(屋根の縦の長さ)と勾配にも準じ、およそ2~3寸程葺き土の浸食の後、浸食はそこで止ります。

余りにも腐食の進行がひどければステンレスの谷への変更も考慮して頂いた方が良いかと思います。そこまででなければ、無理に漆喰を塗らないのが重要です。因みに写真の谷は葺き土に雨が絶対関与出来ない細工となります。内部には、雀や蝙蝠返しを施設しております。

次は、鬼廻り

写真の鬼は降り鬼といいます。降り鬼の下には何も置かない場合や装飾した降り鬼台を置いている場合や写真の様に熨斗瓦を台代わりに置いている場合があります。

この場合、

青線から右、赤矢印の方向には葺き土を置いたり漆喰は絶対塗らないで下さい。雨は降り棟の内部と外部を必ず走っておりますので降り鬼下駄(鬼台)廻りを葺き土や漆喰で囲ってしまうと雨水を鬼瓦と共により堰き止める形となり最悪雨漏りする可能性が跳ね上がります。
ですから、少ししんどいですけど写真の様に鬼台を外して葺き土を除去した後、戻し、廻りをシーリングで固定しておけば雨漏りする危険性はありません。

kimg0313

降り鬼の一段目の隙間にも漆喰は塗らないで下さい。無理に塗り込むと通期乾燥時間が遅れ、凍て割れを招く危険性が高まります。ここから雨が入り込んでもちゃんと内部で排水出来る降り棟の構造になっているはずです、、、。なってない場合でも塗らないで下さい。

隅鬼瓦も同じで、青線から右の位置に漆喰や葺き土を置かない様にして下さい。理由は降り棟鬼瓦と同じです。
隅鬼瓦の場合は一度バラシテ積み直す際には、内部に防水処理出来ますのでこの限りではありません。

上記考察を守ってうまく漆喰を塗れば写真の様な弊害は、豪雪地域以外では生まれません。

隅棟と陸棟の取り合い部、陸棟側の熨斗瓦の垂れから角度やむくり具合で雨水が横走りして棟内部に干渉してきますので具合をみて写真の青丸部分の様に横走りを切る、切り込みを入れておけば安心です。

隅棟と破風の取り合い部分も上部と下部を良く見て、雨が入りそうなら下部は塗らない様にして下さい。

他の部位は古い漆喰をはがして、一段目の熨斗瓦の継ぎ目より出来るだけ奥にぬりましょう。

屋根工房きのした※危険を伴いますので、DIYで無理と判断されたら上記考察を知っている業者に依頼してください。

 

 

 

 

土葺き瓦屋根が何故40年ズレたり漏れたりしなかったのか?

2016-09-11

土葺き瓦屋根が何故40年ズレたり漏れたりしなかったのか?(この屋根は阪神淡路大震災を経験しています。)

こちらの屋根は先日の土曜日に診せて頂きました釉薬日本瓦で御座います。漆喰の剥離と隅鬼瓦の倒壊が気になられてお問い合せを頂きました。ありがとうございます。(現場は吹田市)

(隅鬼瓦の倒壊)

理由は棟瓦の内部の葺き土に雨水が常に滞在することにより、鬼を釣る銅線と隅木に打つ5寸鉄釘の電蝕による腐食が原因です。
隅鬼瓦は棟内部・外部の水流を堰き止めてしまいますのでシール材を使用しない40年前の工法では偶に倒壊する場合が御座います。現在はステンレス線やビス、水の浸透率の極めて低い南蛮漆喰、またシール材を駆使して施工しますのでこの様な現象は先ず起こりません

(漆喰の剥離)

こちらの漆喰の剥離も熨斗瓦の勾配が緩くなり(若しくは最初から緩い)棟内部、また熨斗瓦垂れからの巻き込みもあって剥離してしまっております。ただ、棟構造を変える事無くこの箇所に漆喰を詰めますと面土を侵食してまで排水していた現状から悪化する危険性、雨漏りする危険性が跳ね上がります。

(0.4mm亜鉛鉄板の谷樋)

亜鉛メッキ鋼板は亜鉛の腐食で内部の鉄の腐食を守るという特徴があります。厚みも0.4mmあり、40年経過した現在でも穴は開いておりません。これはこの部位に落ちる水量が少ない事が要因で御座います。もっと長尺流れ行きの屋根ですと摩耗と腐食の進行が早まるという結果が御座います。

 

 

 

次に、本題の何故地瓦平部のズレが無かったのか?
こちらのご説明をさせていただきます。

要因を箇条書き致しますと

①勾配が3寸弱・・・屋根勾配がきつくなりますと漏れにくくなりますし、瓦の重ね目にたまる雨水の早期排出・乾燥が促進され屋根材の耐久性も向上致します。今回の屋根の場合は3寸弱と勾配が緩い為ズレ難いのですが、その反面勾配のきつい屋根の恩恵は受けれません。瓦内部の水返しが機能している事と次でご説明する流れ行きが12通りと短い為瓦屋根全体で見た場合、大きな水量が派生しませんので弊害は生まれておりません。

 

②流れ行き12通り・・・流れ行きとは棟瓦から軒瓦までの距離の事です。ズレ難くなる要因はこの流れ行きが短い為瓦全体の重量、軒瓦に直接かかる重量負担が低い事が要因となります。逆に長尺の流れ行きと急勾配屋根はズレ易くなります。

 

③土質・・・藁を蒸して寝かせた粘り気の強い葺き土と、建売り用のあまり寝かさない回転重視の葺き土と。当時の葺き土の販売は2通りありました。瓦を外す際に40年経過しても密着が高い葺き土は良い方の葺き土です。これはあくまで私の地域から生まれた考察ですので地域差は当然御座います。

⑤土量・・土量も少ないと簡単に瓦がガタツキますので振れやすく、ズレ易くなります。この屋根は写真の通り充分な筋葺きの土量です。施主さんも屋根に上り確認していただければガタつかない当時の職人さん(店)の心意気が伝わります。

④土止め桟木・・土止め桟木と桟木事態の嵩と間隔もズレ難い要素となります。今回のピッチは50CM間隔で五分角です。
五分角ですがピッチが50と狭い為、ルーフィング(ビニトン)と土の剥離部位があっても土その物はズレない施工となっております。ルーフィングは当然小屋裏の熱気や屋根の熱量で膨張敗れしている箇所はあるでしょうが、水返しが御座いますので雨漏りとは何の関係もありません。もし水返しがホコリの堆積で負けても次には充分な土量が控えております。ただ、葺き土まで浸食される屋根構造と立地でしたら40年雨漏りしない結果は先ず残せません。よってルーフィングを触る必要性はありません。

⑥軒瓦の緊結・・・鼻隠しモルタルと軒瓦が密着しているとズレ難くなります。また、銅線釣りより銅釘による緊結の方が若干ズレ難くなります。今回の屋根は銅釘打ちで問題ありません。

全くうまくありませんが、上記の考察を絵でご説明しますとこの様な感じとなります。

今回の屋根の場合、凍ても全く無く、棟瓦の改善と谷樋の改善工事で事足ります。

ウチの屋根はどうなんやろう?
40年程経って葺き替える予算もきついし・・・。
でもそろそろ屋根瓦のメンテナンスをせなあかんしなぁ・・。

と考えらている方のご参考になればと思い。書き連ねました。 🙂

 

 

 

 

DIYで割れ瓦の雨漏りを直す時は

2016-08-23

DIYで割れ瓦の雨漏りを直す時の注意点です


こちらは、ありがちな瓦屋根の雨漏り写真です。
今回はこちらの施工の是非ではなく、

電気屋さんが踏み割ったり、
飛来物による損害であったり、
施主さん自身が物を落としてしまった際の修理方法として

上記写真の様にシリコンコーキングを用いる機会もあると思います。
その際には、表層の部分だけではなくて、

少しメンドクサイですが、割れている瓦の直上の瓦を外し

KIMG0053

見えない部分にもシリコンコーキングを塗り込んで下さい。
瓦の重なった部分、目視出来ない箇所まで雨水は雨量と風向きで這いあがりますので
是非知っておいてくださいね。

ご自分でやる場合は、ホームセンターで500円位で済みます。
そうでない場合は、屋根屋さんか瓦屋さんに御依頼してみて下さい。

 

 

銅のテープで雨漏り応急処置

2016-04-26

KIMG1638
本日は、こちらの屋根の改善方法としまして
ラバーロックと漆喰は功をなすのでしょうか?
という事で、診させて頂きました。

面土はイチコロ仕上げ(台土盛って熨斗積みに入る前に漆喰を先に入れるやり方です。)
京都方面に良く見られる施工方法。
昔何回かやった事あります。

でも棟の構造が西風に負けており、現在濡れたり乾いたりし過ぎでして、そのあおりで面土が剥離しております。

この棟に漆喰は何の意味も無いと御説明させて頂きました。
ここまで雨水が干渉する棟は、ふのりだろうがセメントだろうが先ず戦えません。
ですので、私が施工しようが、誰であろうが棟の積み直しが正解です。

KIMG1641

環境にも恵まれた35年の地瓦平部。
水返しも優秀で3寸勾配。シリコン塗布は必要御座いません。
道すがら、何時も解体工事をしている家屋の立地と屋根を拝見させて頂いておりますので
35年経過した立地で目立った凍て等無い場合、家屋解体まで瓦は頑張ります。
φ一杯の鉄も亜鉛も緊結材として使用されておりません。

本当に言われた事を信じるしか無い施主さんの立場に立って、目を細める事出来る人ならば、
※瓦の寿命はテキストで書ける様な物では無く、ある程度のラインはあるにせよ、立地や施工方法・窯元さん(メーカー)の気合で全く違うという提案を残せるでしょう。※

現場を変えまして

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銅製のテープで銅晒し葺きの屋根の修理をしていた御施主さん。
頭下がります。私こんな製品がある事、知りませんでした。実にお恥ずかしい・・。
仕様は手で触った感触では、0.01mmと0.1mmの2種類御座いました。

KIMG1642

負け惜しみではないのですが、
チョット密着力が弱い様な気がします。

完全に負け惜しみです。
精進致します。!

 

 

 

 

 

 

ドブ漬けメッキと電気メッキ(スレート釘)

2014-05-12

CA3I0848

ドブ漬けメッキと電気メッキ(スレート釘)

築18年の薄型化粧スレートの釘の錆びの原因を本日は色々先輩職人と交えて考察しておりました。
私も亜鉛のドブ漬けメッキのベストの釘がこの様な惨状になっている事を見た事が無かったので使用している釘は電気メッキで仕上がった釘、副資材であるのでは無いかと仮定を立てておりました。
先輩職人の御意見が非常に解に近いと思います。

メッキのやり方は他にも色々あると思いますが、結論が出ましたらまた追記しようと思います。

問題はこの釘がどの範囲まで屋根に普及しているかどうかと屋根材共、錆びで若年数の内にだめにしてしまう問題。

こういった事象等は当然保障の範囲内に収まるべきですが、実際はそういった保障はメーカー・施工店共、皆無であると施主さんは認識しておいたほうが良いです。

ですから、屋根診断や実際の施工には、考察深く、むやみやたらに新生の屋根材を勧めない施工店に依頼する事が肝要です。

この立地とこの建材なら何年持つという現場から蓄積されたデータが人の財産を預かる上で必要不可欠だからです。

それから初めて見積りとなります。
全ての事象や考察が終わってから見積りとなります。
くどいようですが、10年保障などへのツッパリにもなりませんので御留意下さいませ。
CA3I0826

今現在、修理営繕させて頂いている屋根は、
風水圧に葺き土が干渉される事は無く、故この立地で瓦・土共凍てません。
シリコン入りの土を使っておりますので
葺き土とシリコンのゲル化(分離)もありません。

30年前に10年しか持たないと言われた屋根を改修させて頂いております。
この屋根は建て替えまでもちますし、言わば山肌にめり込んだ天然岩の状態に必ず持っていけまます。

当店の屋根瓦修理・雨漏り修理が適正価格である理由

2013-06-25

当店舗の経営形態を、ご紹介させて頂きます。

適正価格の理由

当店は私(代表者)自ら屋根工事、屋根雨漏り診断、見積もり、施工までさせて頂いております。

節約可能な(事務員の経費、事務所経費、営業員経費、中間マージン等)一切カットして創業より営業させていただいておりますので昔ながらの屋根工事本来の費用を実現し、全てのお客様に御提供させて頂いております。

また当店は、屋根修理、雨漏り修理におきまして必要不可欠な工事のご提案と積み重ねて参りました考察力を踏まえ、理にかなった充分な予算を組まさせて頂いておりますので安かろう悪かろうなどという御心配など一切御座いません。

相見積もりや相診断なども大歓迎で御座います。

(職歴38年板金職人と職歴28年の日本瓦工が直接施工しております。)

確実施工の理由

私は、7歳の夏休みから屋根工事に携わっております。(学生時代の休暇期間はほぼ屋根工事に赴いておりました。)当店では2代目に当たります。

おかげさまで28年の職歴を持たせて頂きあらゆる屋根瓦の葺き替え雨漏り修理など施工実績は、店舗全体の実績ではなく私個人の実績でも1900軒を優に超えていますので御客様の屋根瓦雨漏りの御悩みを完全に解決させて頂いております。

丁度私が見習い時代の時は、バブル経済でして3K(きつい・汚い・危険)は特に嫌われておりました故、同年代の職人さんは余りいなかったと記憶しております。(またインターネットの無い時代に当時の瓦職人の人口比率は石屋さんの次に少なかった事を書籍にて記憶しております。)

診断内容としましては、御依頼頂きましたお客様の立地が、国道沿い・線路沿い・海岸沿い・平野部なのか山間部なのか?寒冷地なのか?加えて平屋なのか二階建?三階建て?高台に位置しているのか?隣との隣接間隔は?ビル風や家屋風は?東西南北のどこが一番損傷しているのか?屋根の向きや形態は?これらを熟考し御訪問時に記憶した経験から引き出して最善を御提案しております。

こうした考察から生まれてくる適合建材による施工が確実に施主様と施工者双方に安心を生み出して参ります。

保障期間云々より圧倒的に重要な事項と私は考えます。まだ足りない・・。もっと考察しなければならない・・・。と日々切磋琢磨し屋根診断力・施工力を上げ続けていく義務が私にはあります。

瓦屋根雨漏りに関しまして仕上がり、美観、的確な診断など私が全ての屋根修理を手掛けておりますので同じ店舗内でも施工技術の差がありませんので均一な屋根工事の仕上がりを全ての御施主様にお約束させて頂いております。
これら全てが確実な施工をお約束出来る理由となります。

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伝統技法・銅樋制作・鮟鱇制作も承っております。

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