9月26日皆様がこれだけ知っていたら先ず失敗しない雨漏り修理についての記事を現場の職人が綴っております。(⊹^◡^)ノ

屋根ルーフィングが破損・張り替えで雨漏りは直りますか?

お問い合わせ・御質問で多いルーフィング(屋根下葺き防水材)が破損している場合雨漏りするか?こちらの御説明をさせて頂こうと思います!!。少し専門性のある長い記事では御座いますが、必ずお役に立てるものと思います。(`・ω・´)ゞ

 

基準風速30m前後の平野部の穏やかな環境の屋根瓦は結果を先に書きますが、ルーフィングがたとえ無くても雨漏りしません。現在・葺き替え時にルーフィングを用いるのはあくまで施工時の職人の足元の安全確保・滑り止め・施工途中の雨仕舞い・若干の断熱と遮熱以外意味を持ちません。

沖縄や八丈島当のスコールや暴風雨が頻発する地域、基準風速が40m前後の屋根のみこのルーフィングが雨漏りを止める為の構造材の一部として機能している様です。この地域でご活躍される屋根屋さんは、大抵ルーフィングを二重張りにし、また釘1本打つにしても絶対に屋根下地を貫通させない工法を取っておられます。

私は大阪の屋根屋ですので上記考察をそのまま大阪近隣平野部にあてはめる事は、過剰施工の温床となりますので避けなければなりません。

例を挙げますと、例えば工場の屋根などは鉄骨にそのまま化粧スレートを施工した屋根が多くルーフィングはおろか下地材木すらありませんし、高さ6m以上の建造物が多く環境は一般のご家庭より厳しい立地であるにも関わらず、スレートの破損及び施工不備以外は雨漏りすること無くその機能を維持しています。

エポライト交換

では何故瓦屋根等の一次防水建材で雨漏りを止めている訳では無く、ルーフィングで雨漏りを止めているという発想がうまれたのでしょうか?
原因として考えられる物をいくつか列挙致しますと

①適合勾配を無視した施工による雨漏りが頻繁に起こった事

②水返しの甘いもしくは、無い建材が出回った事

③屋根材の重ね目に溜まる埃が毛細管雨漏りを生み出す年代

④山間部宅地造成など風圧を受けやすい屋根が沢山生まれた事

これらがルーフィングで雨漏りを止めているという発想に繋がったのだと思います。

順を追ってご説明いたします。

①の屋根勾配に準じた適合建材を使用しているかどうか?

もう一つ突っ込んで考えますと、④のその立地での環境を熟慮した適合建材を使用しているかどうか?

この二つは非常に重要で、これを無視しますとルーフィングが有っても無くても雨漏りしてしまいます。
酷く言いますと簡単に雨水が逆流する屋根が存在しているという事です。
(※例え体感・目視出来ない雨漏りでも野地板その他構造材木の腐朽は避けられません。)

現在各屋根材には雨水を排出できる適正勾配が明記されており、必ずその勾配以下の施工は避ける様注意しております。
しかし実際の判断は我々の様な幾多の現場解体から学ぶ経験・考察でしか判断出来ないのも事実として御座います。
平野部と山間部では全く環境が異なりますので、仕様書を鵜呑みにする事は出来ません。

さて、何故そのような屋根が施工されたのでしょうか?
一重にだれでも施工可能な新建材の台頭と設計者のミスから派生した物と考えられます。
ミスは誰にでもありますので仕方ありません。また40年前に仕様書に適合勾配等の明記があったかどうか?
今となっては知る由も御座いません。

だれでも出来るという事は雨や風がその立地で何をしてくるのか想像出来ない方でも施工出来るという事です。
例えばこの様な屋根はルーフィング云々以前の問題となります。

アスファルトシングル
例:本来は板金屋根勾配(一寸)にアスファルトシングル施工
(当然雨漏りします。)

以上の事は
②の水返しの甘いもしくは無い建材が出回った事にもその因果は続いてまいります。

水返しとは?

暴風雨等で一時的に瓦内部に侵入してくる雨をルーフィングに落とさないで外へ排出する突起や溝の事を言います。
下の写真のせりあがった突起部位の名称↓
土葺き瓦屋根の構造

屋根材で一番と言っても過言でない程この水返しと先の①の屋根勾配が雨漏りしない屋根の生命線となります。
実際の暴風雨時においては下記写真の青い点まで雨水は這い上がってまいります。
土葺き瓦屋根の構造 水返し

※暴風雨時・どんな風向きの時雨が隙間から侵入するのか?※

下手くそな絵で申し訳御座いません。絵で御説明いたしますと
こちらが普通の雨の瓦屋根の雨水の流れです。
雨の吹き降り - コピー
普通に流れ問題御座いません。

雨の吹き降り
※暴風雨時※
緑の矢印から吹いてくる暴風雨は日本瓦の構造上雨漏りしません。
赤の矢印から吹いてくる暴風雨は水流を止められ黒点の水返しまで雨は干渉し続けます。
同じ暴風雨でも日によって漏れたり漏れなかったりする原因です。

雨水自体の重力が風に負けない様にする為には、必要な屋根の勾配を的確に見抜く事と、水返しで雨水を返せるか?返せないか?が最重要項目でこの役目はルーフィングでない事を御理解して頂きたいと思います。

水返しの無い屋根材とは?

モニエル瓦/センチュリオン/ホームステッド

水返しの無い屋根材の代表は、下記写真のモニエル瓦
※緩勾配不適合建材+塗装による劣化塗膜が堰となり雨漏りしています。(現在販売中止)
モニエル雨漏り
モニエルホームステッド

薄型化粧スレート/ニチハパミール等

カラーベストやコロニアルと呼ばれる薄型化粧スレート
※緩勾配不適合建材使用屋根+塗装。スリットから入った雨水が排出出来ず釘穴に干渉して雨漏りしています。(現在でも発売中)
コロニアル

セキスイ瓦U/大和スレート等

緩勾配でも施工可能と言われたセキスイ瓦U
こちらは、緩勾配対応故、瓦の重ね足が長い事が特徴ですが、緩勾配屋根で使用すると堆積する埃と比例して停滞する雨水の量も多く、躯体裏面の水の浸透率が高い部位に対する防水能力が低く、軽量化故厚みが無い事、膨張した躯体が吊り子の緊結で逃げ場を失う事により躯体その物が裂傷してしまう場合がある建材で御座います。ですので緩勾配の化粧スレートは塗装によるメンテナンスは無駄という事になります。
(現在販売中止)
セキスイ瓦U
セキスイ瓦U

緩勾配不適合コロニアル屋根の雨漏り修理に緩勾配不適合コロニアル葺き替え工事。2015年に診断。
※もう気の毒としか言い様が無くへたり込んでおります。再漏水しておりました。

これらの屋根材は水返しがありませんので屋根勾配は水返しのある屋根材よりきつく取る必要があります。
何も考えずに屋根塗装すると雨漏りを誘発しやすい非常に危険な建材です。

私は強風地域はもとよりこれらの水返しの無い建材を使用する場合4寸以上の勾配は必須と考えておりますが、それ以下の勾配で施工した場合の雨漏りの原因がルーフィングで雨漏りを止めるといった発想に繋がってしまったものと思われます。

では、適合勾配の屋根で尚且つ水返しもある屋根材の平部の雨漏り原因として経年で溜まる埃堆積の毛細管や劣化塗膜が作る堰など
③の内容の御説明をさせて頂きます。

毛細管雨漏り

雨の中には水分だけでなく、多量の不純物が混在して降って来ますので屋根材の重ね目にも雨が運んできますチリ・黄砂や埃が滞在してしまいます。
この堆積した埃が雨水を吸い上げて屋根下地に干渉させてしまう現象を毛細管雨漏りといいます。
木の根が重力に逆らって水を吸い上げたり、スポンジを水に浸すと重力に逆らって吸い上げたりする現象と同じです。
吸水率が高くなりましても瓦自体が雨を通す事はありません

KIMG0247
こちらの写真の様に、沢山の埃の堆積がみられます。
この部位の清掃で雨漏りは完治致しますが、水返しの無い建材や、突起が低い建材の場合には
清掃と共に人工的に水返しを施設致します。

(施工例)
モニエル瓦毛細管
水返しの無いモニエル瓦尻にシリコンで水返しを付けて雨漏りを止めます。
ルーフィングは張り替えません。ルーフィングに雨水が干渉する根本を改善しています。

KIMG0488
ルーフィングが最初から無い適合勾配瓦屋根の雨漏り修理
築50年弱で初めての雨漏りでしたが、埃堆積の原因は近隣環境の変化です。
高層建築物等が建ち並び、50年前とは屋根に干渉する風圧が変わってしまったことにより一部分で埃堆積量が上がった事が原因です。
他の部位はまだ雨漏りしていません。

※ルーフィングが無い事で小屋裏の換気性能は申し分無く、尚且つ結露の発生頻度も低く、温度差が激しい冬場の日でも葺き土が真っ先に発生した結露も吸収してくれます。瓦の高耐久を具現化しているこの屋根にルーフィングもシリコン瓦止めも必要ありませんし、もちろん葺き替えも要りません。ポイントの修理で充分です。

※風圧が変わる主な要因※


築年数と共に、周りの建築物の様相も変化して行きます。
時に、それがビル風や家屋風を呼び思わぬ風量を作り出す場合も御座います。

KIMG0442
この様な場合は、瓦尻に水返しを施設致します。
これで雨漏りは直ります。
土葺きの瓦屋根は多少の毛細管雨漏りが発生しても葺き土が二次防水の役目をなしておりましてルーフィングで雨漏りを止めているのでは無いという事を御理解して頂きたいと思います。
また、水返しを施設せず販売した建材は古来からある土葺き日本瓦の二次防水としての役割に気付けなかったからだと思われます。

(ルーフィングを張り替えなくても御自分で安全を確保出来る様でしたらDIYでも必ず防風雨時の雨漏りは直せます。)

如何でしたでしょうか。
雨漏りしている部分だけルーフィングを張り替える事は出費も僅かでしょうから別に問題は御座いません。
ペフ同様に結露防止の役目を担う部位も御座います。
ですが、
ルーフィングが破れているので雨漏りします。
屋根全体のルーフィングの交換が必要です。

この様な診断は本筋から外れているケースが殆どです。
長年雨漏りしなかったのは土止め桟木を打つ際最初からルーフィングの始祖ビニトン等は穴だらけにも関わらず、また軒鼻モルタル仕上げでルーフィング上を走る雨水が抜けようも無い設計であっても軒折れもモルタルの滑落も全くないのはルーフィングが雨を止めていたからでしょうか?

これから屋根雨漏りのメンテナンスをお考えの方、雨漏りを直す方法として緩勾配不適合建材使用屋根や、著しい劣化・損傷を伴う屋根以外でルーフィングの交換・張り替えが必要と診断された方は、今一度御熟慮して頂きますよう宜しく御願い致します。

ルーフィングを張り替えて直る雨漏り?

※私は過去28年・2000軒弱の屋根診断及び施工、築7年~築230年の屋根でルーフィングの破れや破損が雨漏りの原因と診断した事は一軒もありません。
全て上記考察に準じ、完治させて頂いて参りました。
よって建材の機能と屋根勾配で雨漏りを止めているという立ち位置を崩すことは御座いません。

KIMG0560[1]
日本の城の天守の屋根は相当な風圧が予想される為に竣工当時からルーフィングが存在しない時代から急勾配であります。

 

最後に、瓦屋根平部の雨水がルーフィングまで関与した雨漏りは、当店に於きましては全修理工事の5%にも満たない事をお伝えして終わらせて頂きます。

 

長々と御一読頂きましてありがとう御座いました!! 🙂

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