屋根を葺き替えないと雨漏りは直りませんか?

雨漏り診断をさせて頂いた時、もう家の屋根材は寿命と言われました。この様な御質問を頂く事がしばしば御座います。屋根材や下地やルーフィンングが寿命と御提案をされた方に、きっとこのページがお役にたてるかと思います。

よろしければこちらの記事も御参考になると思いますのでよろしければ御一読下さい。
屋根ルーフィングが破損・張り替えで雨漏りは直りますか?


此方の動画でこの記事を順を追って御説明させて頂いております。よろしければご利用下さい。

※葺き替え工事やガルバニウム鋼板によるカバー工法が必要な屋根※

先ず葺き替え工事が必要な場合はどんな事例があるか御説明させていただきます。

※緩勾配不適合建材使用屋根※

どの様な屋根材でありましても屋根の勾配が肝となります。
それが葺き替え工事が必要な屋根の主たる原因と言っても過言ではありません。
緩勾配不適合建材使用屋根とは、屋根材には元々適合できる勾配があり、雨水を排水出来る許容量が御座います。これに適していない屋根の事を言います。

(一般家屋にて普及している屋根材の例)
コロニアル・カラーベスト・4寸以上
日本瓦・3寸以上(水返しあり)
日本瓦・4寸以上 水返し無し
鋼板晒し葺き 2寸以上
鋼板立平 1寸以上・・ 等

(コロニアル・カラーベスト)

(日本瓦 水返し有り)

(銅板晒し葺き)

(ガルバニウム鋼板立平葺き)

仕様書に明記されている建材でも、無い建材でもその屋根勾配に適した屋根材が雨漏れを防ぐ基本となります。
ただ立地環境におきましてはこれらの基準が必ずあてはまる訳では無いので現場考察の数もある程度は必要で御座います。

これを無視して施工されている屋根は、残念ですが葺き替えか鋼板によるカバー工法等、適合建材に変更する必要性が御座います。

※葺き替えないといけない理由と事象※

①排水能力が著しく低い(竣工時から雨漏りしている)
②コロニアルやカラーベストの場合ケラバ板金や棟板金へ暴風雨時の雨水の侵入の可能性と
ホコリの堆積率が上がる
③ルーフィングが破れている箇所は下地材木を腐らせる危険性がある。
④緊結材・ビスや釘の腐食による屋根材飛散の危険性がある。
⑤毛細管雨漏りの進行が速く、塗装した場合劣化塗膜がさらに排水を止める事にも繋がる
⑥停滞する雨水の時間が長い為屋根材の裏面からの雨水の浸透率が上がり結果、凍て割れや裂傷の可能性。早期劣化の可能性も上がってしまう。

これらが緩勾配不適合建材使用屋根の弊害で御座います。

工事・診断の事例


こちらの薄型化粧スレート屋根からの雨漏り
2寸勾配であり尚且つ高台山間部宅地造成の立地にある屋根です。
適合勾配を考慮されていない事と共に、環境も厳しい屋根。
この様な屋根はガルバニウム鋼板の立平が適合勾配ですので、カバー工法を御提案させて頂きました。

アスファルトシングル
こちらのアスファルトシングルの屋根は一寸勾配で不適合建材使用屋根
こちらもガルバニウム鋼板によるカバー工法をお勧め致しました。

雨漏りが完全に直るこの工事により構造材木の腐食進行は結露を除き止まります。

小屋裏結露発生の構造用合板の腐食等は業者でも施主様でも工事前に小屋裏に入ればある程度は目視確認可能で御座います。

緩勾配不適合建材使用屋根+塗装

緩勾配不適合建材と塗装

上の写真は緩勾配不適合建材使用屋根にさらに塗装を施しております。
雨漏りを塗装で直そうとした場合最も間違いを犯しやすい事例の一つで御座います。

塗装をする前に充分注意して頂きたいと思います。
こちらも葺き替え工事が必要と判断させて頂きました。

躯体年数が経ち、屋根の軽量化を望むお声

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昭和56年に耐震基準が変わりました。
昭和56年以前の家屋は、変更後の耐力が不足している場合があり大地震に対して倒壊の恐れがあるかもしれません。
写真の屋根は度重なる長屋切り離しによる屋根で壁・屋根共、耐力の低下は歴然としております。

ただ屋根の軽量化だけでなく、家屋自体の耐震性も視野に入れなければ本当の意味での耐震工事とはならないのですが、やはり予算が足枷となります。

施主様の御要望にももちろんお答え出来ますが、この時に大切な事は充分歴史的に結果を残している建材を使用する事でしょう。

一概には言えませんが新建材の早期劣化や廃版を目の当りにしてきましたので、長く使用されている建材を選ぶ事も安全性を考慮する場合必要だと考えます。

以上が主だった雨漏りする屋根に対する葺き替え工事を御提案する内容となります。

葺き替え工事が必要でない場合

葺き替えが必要なケースは緩勾配不適合建材使用屋根が殆どであると御説明させて頂きました。
適合勾配と好立地に位置する家屋の雨漏りは葺き替えの必要性は無く
充分修理で御対応可能で御座います。

例えば瓦は100年以上の修理可能な屋根は沢山御座いますし
水流の派生しない銅板葺きなども80年メンテナンスフリーの実績を持っております。(京都の墓門にて確認致しました)

墓門

屋根の一次メンテナンスで失敗しなければ殆ど葺き替えの必要性無く雨漏りを直す事が出来ます。
屋根材自体の経過年数は経っていてもまだまだ充分機能できるケースも沢山御座いますので、葺き替えが必要な屋根は何故葺き替えが必要なのか?しっかりした説明がありましたらより安心でありますね。

雨漏りした際に、葺き替えしか無いと御提案された方(一つの選択肢しかないと提案された方)はより多くの業者の診断を得て、御自分が納得出来るまで慌てないで業者選択の時間を割いて頂きます様に御願い致します。

屋根の特徴、経過年数の特徴、建材の特徴、立地の影響等加味した屋根診断を受けるて下さいませ。

最後に屋根瓦を新しく変えて、屋根のリフレッシュをご要望の施主様にも適合勾配の屋根材にて葺き替えて頂ければと思います。

御一読頂きまして誠にありがとうございました。 🙂